朝が苦手な人間が綴るブログ (限界大学院生編)

基礎こそ物の上手なれ. 人間万事塞翁が馬. を大切にしている経済学徒.

アメリカの教科書は日本の教科書と比べて、なぜ分厚くて文字が多いのか?

アメリカに限らず、英語の教科書は、日本語の教科書に比べて随分分厚いです。たまに大学の図書館の閉架書庫に行くのですが、そこに並んでいる様々な分野の英語で書かれた教科書はかなり分厚いです。

指導教員の研究室にあるたくさんの経済学のテキストもかなりの分厚さです。

 

要は、違いは、著者が(ここでは)アメリカ人か日本人かでかなり変わります。

日本人の先生が書いた経済学の教科書の分厚さは知れていますが(分厚くても齋藤先生のマクロとか)、

日本語に翻訳されているアメリカ人のテキストは平均的にかなり分厚いイメージです。マンキュー、ローマー、etc.

 

1年前、少しだけヴァリアンのミクロを読んでおり、今Wooldridgeの計量をやっているのですが、日本のテキストとの一番の違いは言葉による説明量の違いです。細かく説明されているというはもちろんですが、ユニークな問題や説明もとても多いです。

レベルは少し違いますが、実証分析を取り扱っている田中隆一先生の計量経済学の第一歩

 

 

計量経済学の第一歩 -- 実証分析のススメ (有斐閣ストゥディア)

 

と比べると違いは歴然。用紙のサイズの問題もありますが。

 

 

ここでは、Wooldridge, 2012p794の(9)を例として引用します。

 

Suppose that a military dictator in an unnamed country holds a plebiscite (a yes/no vote of confidence) and claims that he was supported by 65% of the voters. A human rights group suspects foul play and hires you to test the validity of the dictators claim. You have a bud- get that allows you to randomly sample 200 voters from the country.

 

意訳)某国の軍の独裁者は、国民投票yes/noの信任投票)を抑えており、国民の65%から支持を得ていると言っている。人権団体はこれを不正行為だと疑っており、あなたをこの独裁者の主張の正当性を証明するために雇った。あなたは投票者の中から200人をランダムサンプルする予算がある。

 

といった感じで、以下に計算問題が続いていきます。

 

そしてこの問題では、(4)に、

How would you explain the relevance of the number in part 3 to someone who does not have training in statistic?

 

意訳)統計学を勉強していない人に、3の数字の妥当性をどう説明しますか?

 

との問題があります。この手の問題は頻出ではありませんが、こういう問があるのはとても好きです。言葉で説明するのは、深い理解ができていないと非常に難しいです。

 

個人的にはこのような練習問題は好きです。

 

 

ではなぜ、分厚いのか?というところですが、アメリカ人はあまり無味乾燥な表現を好まないのでしょうか?---そんなこともないと思います。言葉での説明を重視する文化なのか、あまり数学が得意でなく、言葉での説明を頼っているのか。

 

この謎への答えは私はわかりません。