朝が苦手な人間が綴るブログ (限界大学院生編)

基礎こそ物の上手なれ. 人間万事塞翁が馬. を大切にしている経済学徒.

エコノメをかじり出した文系学生が計量・統計のテキストを読み進めていく順番

どうもこんにちは。
f:id:econgrad:20181217200118j:plain
このブログは学部生の人によく読んで貰っているみたいなので、今回は学部生の人のためになりそうな記事を書きます。
 
タイトルの通り、計量経済学の勉強を始めた文系学生(学部生)に向けてこれまで投稿した記事の内容も踏まえてアップデートした、出来るだけ情報量の多いものにします。経済学部 or その他文系学部で計量経済学統計学を勉強している(しだした)人を想定して書いています。近年は経済学部に限らず統計系の授業の種類も増えていると思いますし。主観ですが難易度順にしているので関心があるところを読んでくださいニッコリ。
ミクロ・マクロ経済学のテキストをまとめている記事はこちらです。  

 

初級よりも初級・何も分からないレベル

大学生だが数1や数Aすら危ういという方に向けて。学部レベル(と一口に言っても人によるが)の計量経済学を理解するには、2年ほどあれば数学大っ嫌いな人でも間に合うと思います。
 
まずは一般書から始めるのがいいでしょう。

中室・津川先生の「原因と結果」の経済学週刊ダイヤモンド2017「ベスト経済書」第1位 となった2017年のベストセラーで、 伊藤先生のデータ分析の力サントリー学芸賞[政治・経済部門]、日経・図書文化賞受賞週刊ダイヤモンド「2017年ベスト経済書」2位 となった本です。
詳細・書評はAmazonの商品説明やレビューに任せますが、どちらも数式を読まずにどのような分析が経済学・社会科学の研究で行われているのかとても分かりやすく説明されています。まずはどちらか1冊読むところから始めよう。
 

明治大学の飯田先生の経済学講義 は計量も含め、ミクロ・マクロを初学者が学ぶにあたって必要な基礎知識をざっくりと説明しています。経済学全般を勉強したい人はこの親書を読むといいと思う。
また、自分のレベルに限らず誰が読んでも楽しめる本であることも間違いない。
 

自分はこの辺も図書館で借りて読んでましたが、それなりにうまく説明されていると思うので、漫画から入るのが嫌でない人はサッと読んでみるのもいいかも。
 

初級レベル

高校数学の基礎が問題ない人はここから始めていいと思う。

田中先生の計量経済学の第一歩(左) はまさに計量経済学の勉強し始めに最適な教科書だと思う。大抵のエコノメのテキストでそうだが、序盤で超最低限必要な統計の復習がある。全くもって十分でないと思うが、とっかかりとしてはとても分かりやすくていいと思う。てか有斐閣のこのシリーズは良書が多いよね。私も学部のときに読みました。
実証分析のための計量経済学 これも同じく初級レベルと言った感じでしょうか。数式が少なく、実証分析を理解するための(直感的な)説明にフォーカスしています。この記事を書くにあたって読み返したところ、抽象的で厳密性に欠けるなぁと思いましたが、学部のときにある意味で辞書的に活用していましたが当時はとても助けられました。特に離散選択モデル、プロビットやロジットなどのパートにお世話になった記憶が。
 
統計学のテキストとしては次の本がいいと思います。

基本統計学(東洋経済新報社)統計学初心者が使う本として1番だと個人的に思ってる。自分が初心者だと自覚がある人はこれから始めることを進めます。 かなりのロングセラーである基本統計学(有斐閣) も同じくおすすめです。両者は好みの問題かと。ちなみに私は 基本統計学(東洋経済新報社) を愛用していました。
 
「最強」とつくタイトルの本は怪しい匂いがしますが、このシリーズは超がつく統計の良書なので是非読むことを進めます。

これは統計学が最強の学問である[数学編]であり、統計的理解・頭脳を鍛えるのに最適な本だと思います。これを1周とは言わずに何周も読むのも(時間があるなら)オススメする。
一応数学編以外もあって、読み物として面白いので載せておきます。ビジネス本もあるので、就職・就活するのに「ビジネスの統計ってどんなのか知ってますよ」という上部の知識を付けてESを書いたり面接に挑むのもいいかも?

 
 
統計・確率などの読み物として面白かったのはこの辺です。左から読み易かった順に並べてます(ページ数と内容的に)。

 

中級〜上級レベル

THE中級がどのくらいか分からないので範囲を広くしました。

大学院の初級レベルとしても定番な2冊です。
どちらも同じくらいのページ数と難易度ですが、Stock & Watsonの方がWooldridge本より良い気が。和書に比べ説明がダラダラしている感じがあるが、数学苦手が多い文系にはこのくらいがちょうどいいと思う。
右はStock & Watson和訳本です。英語が読めない方はこれを、と言いたいが高すぎる。中古でいいのがあればいいのだが。英語読めるようになろう。
 
基本統計学に比べ、少し難易度が上がるのがこの辺。

個人的に経済系の人がやるべき本を左から並べました。赤本だけやってれば十分だと思いますが(自分がそれ)。
 
数理統計・確率をやるときに使ったのが次の2冊です。経済学では触らない部分も多いですが、数理統計などは学部のうちにしっかりやっておけばよかったと後悔している。

 
和書でガッと勉強するのが多くの純日本人には手っ取り早い。

ここでも左から順にコメント。
末石先生の計量は漸近理論とか収束とか、その辺の説明が日本語のテキストの中で充実しているものだと思う。この本と難波先生の計量の2冊ができればいいと思うが、まずはどちらかに取り組むのがいいかも。難波先生の計量本の後ろ半分くらいは数理統計のパートとなっており、行列・線形代数を使った統計学計量経済学を勉強する上で必要となる基礎をまとめて勉強できるのでかなりオススメ。
浅野・中村は学部4回のときに結構勉強したのだが、正直微妙。個人的には武隈ミクロのような感じを受けた(無味乾燥...)。
山本計量は院試の定番テキストとなっている(なっていた?)。個人的にはハードカバーが好きでない。それだけの理由で読んでいませんが、かなり定番の本です。授業の指定教科書となっていることも多いかも。
 
この辺のレベルの読み物としては「ほとんど無害」な計量経済学Mostly Harmless Econometricsが良い。

和訳がイマイチだという評価があるが、日本語の方が読むのが早いので私は和訳本を持ってます。しかし和訳版は高いのが少々問題。英語に自身がある、ついでに英語の練習をするという人は安い英語版を買うのがいいかも。
 

これが理解できたら十分:上級レベル

この辺は学部の上級クラス(院と同じ授業)で使っている大学もあるので書いておく。
院進する者は時間がある限り読んだり演習問題を解くのが吉だろう。例で出てくる論文を読むのも息抜きになったり少し角度が変わっていい。学部卒の人はよっぽど強い関心がない限り触れないことを勧める(いやそんなことはない)。

この辺が定番であるのでしょう。
この中でも圧倒的なページ数を誇るGreeneが定番としてあるようです。 Hayashiも丁寧な説明などで定評があります。 WooldridgeのCross Section and Panel Dataの2章か3章にある色々な収束の定理の証明・説明はなかなかなものだと思います。収束がよく分からなければこいつを読んでみると良いかも。自分は大数の法則中心極限定理からの連続写像定理(continuous mapping theorem)、Slutskyの定理、Delta法なんかを参考にしてました。
ミクロ計量で定評があるのがCameron&Triverdiです。 Cameron&TriverdiのStata本は実証をやるecon族は度々お世話になる本です(Stata使うならば)。図書館で借りる程度で十分だと思いますが。

まあ色々書きましたが、私ががっつり使ったのはBruce Hansenのオンラインテキストです。 無料でダウンロードできて、Stata、R、Matlabのコードも載っています。授業のテキストがこれであったのもあり、該当の章を印刷して読み込んだりなんなりしてました。さらっと見るならiPadで読むのもいいかもですね。

このレベルになると根拠のある説明ができないんですが、Bruce HansenHayashiGreeneをやるのが良いのかなと。Greeneは辞書的扱いがいいのかも。
 
ミクロ・マクロ経済学のテキストをまとめている記事はこちらです。 www.econ-stat-grad.com